忍者ブログ
紅露と黒巳と紫陽花のオリジナル小話不定期連載中
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

やっとこさ、終わりが近づいてきました(笑

  深夜二時頃。
  一行は、旅館に許可を取り、近くの部屋の客を避難(一応)させた上で、自分達の客室への廊下を進んでいた。
 少し寝て回復した一行の側を葱朗太が浮きながらついていき、一番最後の最後尾にパズとサトによって、いくらかグレードアップさせられたハリトーが悄気ながら続いていく。(ペンの皺を肌色の絵の具でさらに自然な感じにした上で、染みを足したり歯抜けにしたりやりたい放題やられた。サト発案、パズ実行)
先にその姿を見ていた一部が、このグレードアップにさらに一笑いしたのは言うまでもない。風邪気味だったレムも粗方回復したらしく、その姿に爆笑していたが、レスだけは爆笑どころかかなりショック(自分のせいでさらにハリトーが被害を受けたと思った)だったらしく、一言謝罪した後、それ以降は目も合わせようとしない始末だった。(逆にハリトーはそれでショックを受けてる)
サ「ところで、ハリトーをグレードアップさせといて今更だけど、これだけでほんとにお辰さんはわかってくれるのかな?」
プ「ほんとに今更だね……。さすがに、葱朗太さんを若くなんてできないし、これしか方法はないと思うけど。お辰さんには、理解してもらうしかないよ」
ユ「フフーン。安心して☆   その件については秘密兵器があるんだよ☆」
 サトとプスの会話に割って入ったユウイは、ごそごそとポケットをまさぐると、一本の小瓶を取り出した。
 怪しげな液体の入ったその小瓶の中身に、見覚えがあったらしく、サトは驚いたように言った。
サ「それ、僕が作った子供化薬じゃないですか? 先生が全部処分したと言ってたのに……。なんで」
ユ「まぁまぁ☆ 細かいことは気にしない、気にしな」
ウ「ユウイ、あとで話があるから、覚えておいてね」
ユ「……。違うよ? 面白い薬だったから、ウェンが内緒でサンプルのために取っといた小瓶を、黙って拝借してきたとか、そんなんじゃないよ?」
ウ「(ニコニコ)」
マ「殺される前にちゃんと謝っとけ、ユウイ」(今なら一生メシ抜きは回避できるぞ)
ユ「ウェン、ごめんってばー(泣  黙ってニコニコするの止めてよ~」(怖いぃ)
 黙ってニコニコするばかりのウェンに、ユウイが泣きついて許しを乞う。しょうがないと言うように溜息をついたウェンは、「まぁとにかく、それをどうするつもりだったんだい?」と尋ねた。
ウ「秘密兵器らしいけど?」
ユ「これをネギ五郎につけれたらなぁって思って。髪だけでも生やせたら、ハゲではなくなるでしょ?☆」
レ「……実体のない幽霊に塗るつもりだったんですか?」
ユ「もちろん、幽霊のままってわけじゃないよ!  それじゃつけられないし、ましてや塗れないし、飲ませられないからね☆  ほんの一瞬だけでも、ネギ五郎を妖魔かもしくは神霊化して、実体化させればいいんじゃないかなぁって思ってたんだー☆」
サ「でも、どうやってそんなこと」
ユ「んー、そりゃぁ……。シャーマンのスキル持ってる、ウェンかリーズにぃ……、頼む☆」
リ「えーっ?! イヤですよ、俺!!」
ウ「断固拒否」(ズバッ)
葱「(何かよく分かりませぬが、ひどく傷つきました)」(涙
ユ「えーっ?! ウェン、お願い☆ ハリトーを老けさせて、尚且つこの薬を使うからこその成功確率90%なんだよぅ!  もしも、見分けがつかなくなったときのためにってハリトーを丸め込んだのに、これじゃ意味なくなるじゃん!」(えぇっ?!byハリー)
ウ「あのねぇ。そう言うことなら、最初から相談してくれないと困るよ。私だって協力してあげたいのは山々だけど、しょうがないじゃないか。私、人型と類人猿系の神霊とは相性悪いんだよ。つまり、葱さんは実体化できない」
ユ「うっそ?! 初耳なんやけど?!! 哺乳類全般って言うてたやんっ!!!」(人も猿も哺乳類でしょ?!)
ウ「 あー、確かに前はそう言ったけど(言い忘れだね、ごめん)」
プ「というか、相性とかあるんですね」
ウ「まぁねぇ。私の場合、確かに哺乳類全般ではあるんだけど、何故か二足歩行する生き物、特に人型とそれに近い類人猿に限っては相性が悪いみたいで、全く従えられないんだよ。彼ら、頭が良いし手先が器用だから、仲間にいれば助かるのにねぇ……」
マ「それでお前、昔行った任務先に出たゴリラの妖魔、追っ払うのに苦労してたのか」(いつもちゃちゃーと従えてぱぱーぁっとやっちまうのに、不思議だったんだ)
ウ「あのときはなかなか、ピンチだったねぇ(笑」
ユ「そういや結局、力でねじ伏せてたもんね☆(笑 そっかー、そら無理だよねー」
パ「談笑されてる場合ですかっ?!」(もうすぐそこですよ?!)
 緊張感のない会話に、とうとう我慢がいかなくなったのか、パズがそう声をあらげた。実際、もう少しで部屋のある廊下が見えてくる所まできている。
ユ「むぅ。そうだね。リーズには最初から期待してないしぃ。(えっ、ちょっ、ひどいっ!!!byリーズ) どうしよっかな、この薬……。あと、ネギ五郎を実体化させられるとしたらぁ……(チラッ)」 
マ「この辺り一帯を氷漬けにする気か?」
ユ「だよねぇ☆(テヘッ)」
ス「??」
 先頭を行く(行かされている)レスをチラ見するユウイに、一瞬でその考えを把握したマサが鋭く言い放つと、あっさりとユウイもその考えを却下した。
ユ「そうなると……。……よしっ! もう一か八か、とにかくぶっかけよう!!(効くかどうかはその時で!)」
六「(結局っ?!!!)」
リ「行き当たりばったりじゃないですかっ!! いいんですか、それで?!!」
ユ「いいよ☆ だってぇ、この薬、使ってみたいし☆(折角持ってきたんだもん)」
 むしろなんで持ってきたんだ?と聞きたい気持ちを抑え、六人は絶句する。どこまでも自由人の上司三人である。
ユ「ほんとはねぇ、君達の社員旅行が平穏無事に終わるわけなんかないって分かってたし、少なくとも僕ら三人の誰かが事後処理に動くことになるだろうから、その時はこの薬でとっちめてやろうって思ってたんだぁ☆(結局、マサのこともあって使わないつもりだったけど)」
 心の内を読んだようなユウイの台詞に、六人はただただ絶句するしかなかった。
サ「……まぁ、その、それはいいとして。いいんですか? その薬ほんとに使って。だって、僕が作ったのは子供になる薬ですよ? 葱太郎さんを子供にまで戻しちゃダメなんじゃ」
ユ「あーっ! そうだね! 忘れるとこだった☆ はい、プス」
プ「えっ?」
ユ「プスのアニマをその薬に込めてぇ、えっと。ネギ五郎って自殺しようとしたの、今の姿の何年前なの?」
葱「(えー、そうですな。拙者、病気で死んだのが四十前でしたので、入水しようとしたのは確か、二十の半ば頃だったかと)」
ユ「若気のいたりってやつだね☆ じゃ、プス! それぐらいで止まるように、薬の効果調節しといて☆」
プ「え、えぇぇぇえっ?! そんないきなり」
ユ「僕、プスならできるって信じてる☆ (ガンバ♪)」
プ「が、頑張ります! (ユウイ先生、かわいいv)」
ハ「ユウイ先生、ひっどいぜーぃ! 俺っちにはそんな優しい言葉掛けてくれなかったくせにぃ! だぜぃ!」
葱「(皆様のお師匠方は、なんというか変わっておられますなぁ)」
 御苦労お察しします、と言う葱朗太に、最後尾に固まっていた他四人は、苦笑いしか返せなかった。
 さて、作戦事態はかなりグダグタではあるが、ともかく一行は遂にお辰がいるのであろう、部屋のすぐ近くまでやってきた。未だに部屋から漏れたどす黒いオーラが流れてきていて、一瞬でそれと分かる。ピタリと、先頭を歩いていた(歩かされていた)レスが立ち止まる。それ以上、先には進みたくないらしく、困ったように後ろにいたマサを見た。
マ「? 何してる。さっさとドアを開けてこい」
ス「……また俺が開けないとダメ?」
ユ「レス、怖いの?」
 ユウイが尋ねると、レスは素直に頷いた。
ス「……、また蛇、いっぱいだったら嫌だ」(半泣き)
マ「何を蛇ごときでごちゃごちゃと」
ウ「マサ。無理強いしてもいいけど、またれっくんが気絶してもしらんよ?」(次はお辰さんが乗り移ったりして)
マ「……」
ス「……??」(葱朗太に憑かれたことを知らない)
ユ「もちろん、他の皆も開けるの嫌だよね☆」
 ユウイが確認するように尋ねると、全員が首を縦に振った。
マ「……腑抜け共が。たかが幽霊ごときに何をビビって」
ユ「じゃ、マサが開ければ?」
マ「……」
ユ「僕もウェンも開けるの嫌だし☆ ほんとはネギ五郎が開けられれば一番いいんだろうけど、あんな体じゃ開けられないしぃ。お辰さんには、ハリトーとネギ五郎が並んでるとこ、見てほしいしね」
 で、お辰さんがネギ五郎を見た瞬間に、お薬ぶっかけて様子見るの!☆
 と、ユウイは続ける。正直、その薬ぶっかけない方がいいんじゃないかと、誰もが思ったが、疲れもあって誰も口にはしなかった。
マ「何故に俺様が」
ユ「だって、たかが幽霊ごときに、マサはびびってないんでしょ? 適役じゃん☆」
ウ「罪滅ぼしのつもりでここは一つ。皇太子殿」(笑
マ「ーーっ! 貴様ら、最初からそのつもりだったな(怒」
 示し合わせたように言うユウイとウェンを、マサは睨み付けるがもう遅い。散々怖い目を見てきたせいか、六人衆及びレスはサッサと後方に避難(ハリトーと葱朗太を盾のようにして)してしまい、お得意の押し付けは封印されてしまった。
マ「チッ! まぁいい。扉を開けるくらいで怖いことなどあるか」
 ドスドスと、足音を立てて柊の間のドアへと近づく。濃い冷気と負のアニマが、止めどなくドアの隙間から漏れてきているが、これくらいのことは今までにも何度もあったことだ。そもそも、時間をかければかけるほど、こういうのは怖さが増してくるのであって、よってごちゃごちゃとご託を並べている時間、そのものがムダなのであり
ユ「……ねぇ、まだぁ?」(ドアはにらんでも開かないよ)
マ「喧しいっ! 」
ウ「(ビビってるなぁ……(笑)」(優しい眼差し)
レ「……、先生は大丈夫ですかね?」(明らかビビってそうですが)
パ「バカめ! レム! 先生が幽霊ごとき、怖いわけないだろうっ!! 不甲斐ない我々に代わってやってくださるのだから、無駄に心配をしてご負担をかけるな!」
リ「じゃなんでさっさといかねぇのかな?」(ヒソヒソ)
サ「案外メンタル弱いからね、マサ先生」(ヒソヒソ)
プ「そうだけど、あんまり声に出して言っちゃダメだよ」(ヒソヒソ)
ハ「ちゃっちゃかやれって割に、自分は時間の無駄遣いするんだからなぁ、だぜぃ」(ヒソヒソ)
パ「えぇい! 貴様ら、黙れっ! 先生の集中を乱すな! レム! お前が余計なことを言うからだぞっ!」(ヒソヒソ)
レ「うぇぇ? 俺かよ?!」(ヒソヒソ)
マ「(丸聞こえだ、バカ共め! 帰ったら、仕事の量全員、二十倍にしてやる)(怒」
 なかなか踏ん切りのつかない上司の姿に、ヒソヒソと話す六人衆をマサは一度睨み付ける。その時、ユウイがこそこそと、レスに耳打ちするのが葱朗太越しに見えた。
ス「……」(迷うようにユウイを見る)
ユ「☆」(グッと親指を立てる)
ス「……マサ、ガンバッテ」(棒読みな上にめっちゃ小さい)
ユ「ダメだよ、レス! ちゃんと言ってっ!」(ボソボソだめっ! 棒読みやめて! もう一回!)
マ「無理矢理言わそうとするなっ! チビっ!!!」(そんなもんで踏ん切りがついてたまるかぁ!!)
 馬鹿らしいっ!!と、マサはドアを振り返り、「幽霊だかなんだか知らんが」と取っ手を握った。もはや、ヤケクソだ。
マ「俺様に怖いものなど、あるものかっ!       !!!」
辰「ハリトー様ぁっ!!!」
 勢いよくドアを開け放った瞬間、甘い女性の声を上げながら、何かがマサに飛びかかり、ピッタリと抱きついてきた。一瞬の出来事すぎて、誰もがその状況を理解するのに時間がかかった。飛びかかった本人でさえ、相手を間違えたことに気付くまで、少し間があったくらいだ。
辰「ーーっ?! 誰ですか、これっ?!!!」
マ「ーーっ?!」(文句を言いたいが、何から言えばいいか、混乱中)
葱「(マサ殿っ!!! あんまりでございますっ!!! 拙者とて、そんな風にお辰に抱き付かれたことなどないと言うのにぃぃぃっ!!!!)」
 血涙を流しながら葱朗太が叫び、その声に金縛りがとけたかのように一斉に、全員が正気を取り戻した。
ユ「今だ! ネギ五郎がマサに嫉妬して、負のアニマがたまってる!! たぶん、実体化してるよっ!!」
 そう言うと、ユウイは有無を言わさぬ早さでプスから小瓶を取り上げ、小瓶の中身を葱朗太に向かい勢いよくぶちまけた。途端に、真っ白な煙が上がり、視界を奪われ、全員が噎せかえることになった。
 立ち込めた煙が引き、視界がクリアになってきたとき、全員の目の前にいた葱朗太は今までの彼とはまるで違っていた。
 さっぱりとした着流しに、結われた青毛混じりの黒髪、キリリとした眉……。若返った葱朗太は、老けさせる前のハリトーとは比べ物にならなかった。要は、誰が見てもかっこいい、のである。
 誰ともなく驚きを表す口笛を吹き、全員があっけにとられて、また一瞬だけ時間が止まった。
リ「うっそだろぅ……、ハリトーにそっくりのくせに」
サ「これは……驚きだね」
パ「…………(唖然)」
レ「へぇー。こりゃすごいなー」(笑
プ「ちょっ、ちょっと若返らせすぎた……かな?」
ユ「全然、ばっちりだよ、プス!! 完璧☆(ちょっとびっくりしたけど)」
ウ「???? どちら様?」(分かってない)
ス「葱さんですよ、風野先生……(汗 別人のようですが……」
ハ「……(諸々集計してる)。俺っちって……、かっこいいっ??!!」(キラキラ)
全「いや、別に」
ハ「(がーんっ!!!)」(皆してひどい)
 それぞれが口々に言っている間に、葱朗太はゆっくりとお辰へと近付いていく。お辰は急に現れた人物が、誰なのかを理解したものの、驚きが強すぎてその場から動けずにいた。
辰「……あっ」
葱「お辰、すまぬ。随分と待たせてしまった……」
辰「ーーっ!! 葱朗太様あぁっ!!」(あーん)
マ「っ?!」
 ドンっとマサを突飛ばし、お辰は葱朗太へ駆け寄ると、二人はガシッと抱き合い、涙を流した。百数十年ぶりかの会瀬である。傍目から見れば、非常に感動的な場面なのだが、生憎、今のギャラリーに、そんなことを思う者は一人もいない。「やったっ!! やっと終わってくれた!」という思いで、全員が成り行きを見守っていた。
葱「皆様にはご迷惑をおかけしました。皆様がいなかったら、永遠にお辰には会えなかったかもしれませぬ。このご恩、どうすればお返しできるでしょうか?」
全「いや、おきになさらず」
 全員が「そんなもん、どうでもいいから、さっさと成仏しろよ!」と言いたいのを堪えつつ、社交辞令を返す中、パンとお辰が一つ手を叩いた。
辰「皆様に私達の婚礼の義へ参列していただきましょう! ね、葱朗太様。黄泉の国で行う義に、参列される方が誰もいないなんて、寂しいですもの」
プ「いえ、あの、お辰さん。ほんと、気を遣って頂かなくて結構ですから」(あわあわ)
辰「遠慮なさらないで! あっ、なら恋愛成就のご利益はいかがですか? ね、ハリトー様! 恋を成就させるに、心中ほど良いものはありません!  あの世でなら、邪魔するものなど誰もおりませんからね。なんなら私がお手伝いしてさしあげます」
ハ「ちょっ、何怖いこと言ってんだぜぃっ?!  そんなんしないしっ! 俺っち、確かにユリネのことは好きだけど、そこまでは!」
辰「あの方、ユリネさんと仰るんですね! 遠慮なさるなんて、ユリネさんに逆に失礼ですよっ! 私、これでも恋愛成就の神として、ここでは奉られてたんですから、簡単ですv」
ハ「いやいやいやっ!!! 恋愛成就って、一緒に死ぬことじゃないからねっ!!! あんたらと一緒にされても困るぜーぃ!」
辰「他の方も遠慮なさらず!」
 ハリトーが至極まともなことを言っているのには耳も貸さず、お辰は他の全員に目を向ける。びくりと全員が身震いした。もはや、恩返しの押し売りと言っても過言ではない、お辰の勢いに全員が首を横に振り、「いらないですっ!」を繰り返すしかない。ハッピーエンドになったはずなのに、お辰の目は妖魔の時と同じように細くなった。
サ「葱太郎っ!! 僕ら、本気で恩返しなんかいらないから、さっさと二人で成仏してよっ!! 願いは叶ったろ!」
 我慢できなくなったサトが、迫り来るお辰から逃げつつ、そう葱朗太を見るが、当の本人は
葱「あぁ、お辰。無理強いしようと迫るお前も素敵だvv」
のろけていた。
全「のろけてないで、なんとかしろっ! 最弱葱野郎っ!!!」
葱「ひやっ!! す、すみませぬ! お辰、お辰!」
  全員の怒鳴り声に、葱朗太は男らしからぬ声で短く悲鳴を上げると、お辰を呼び寄せる。既にほぼ蛇化(妖魔化)していたお辰は、その声にパッと元の女性の姿に戻ると、「はい、葱朗太様vv」と彼に飛び付いた。
葱「皆様はもう十分だと仰ってくださることだし、拙者たちもそろそろ旅立とう」
辰「はいvv」
葱「では、皆様。本当に有難う御座いました」
 深々と礼をした葱朗太とお辰は、手を取り合い、柊の間へと入っていく。一足踏み出す度、その体は透けていき、やがて霞のように二人の姿は消えてなくなった。
 明かりのついていない、真っ暗な室内を覗きこみ、全員がそれを確認するとホッと胸を撫で下ろした。「良かった、あのバカップル、やっと逝ってくれた!」「これでやっと帰れる!」と全員が思っていた。ただ一人、突き飛ばされた反動で、実は窓から外に転落、そのまま放置されていたマサを除いては……。(無傷は無傷だった)
PR
この記事にコメントする
お名前
タイトル
文字色
メールアドレス
URL
コメント
パスワード   Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
カレンダー
02 2024/03 04
S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31
フリーエリア
最新コメント
[05/27 紅露]
[04/18 黒巳]
[10/21 紅露]
[09/18 紫陽花]
[08/06 黒巳]
最新記事
最新トラックバック
プロフィール
HN:
紅露 黒巳 紫陽花
性別:
非公開
バーコード
ブログ内検索
忍者ブログ [PR]