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紅露と黒巳と紫陽花のオリジナル小話不定期連載中
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二日目と言いつつ、途中で三日目突入(笑

  五人が客室へと向かっていた頃、大部屋ではレムがウェンの治療を受けている最中だった。軽い風邪のようだが、早めに治すことに越したことはない。
ウ「といっても、本格的に治すのは戦教に帰ってからだねぇ。今日はあまり薬も持ってきていないんだよ。とりあえず、即効性のある薬でも飲んで、安静にしていなさい」
レ「了解です。……いやー、やっぱ安心感が違うなぁ(しみじみ)サトの奴から薬もらうのは、安全な薬だって分かっててもなんか怖くて」(実は一番被害に遭ってる人)
ウ「?  ただこの薬、異常に苦くてね。旅館の方に頼んで、蜂蜜でも持ってきてもらおう。その方が飲みやすいは」
レ「苦い? そうですかね? 全然ですけど?」(焦げた料理ばかり食べてるせいで苦味には耐性ある)
ウ「……まぁ飲めたのなら構わんよ」
 差し出された薬を躊躇いなく飲み干すレムに、少し動揺しつつ、ウェンは返された容器を受け取った。
マ「……(イライラ)……遅いっ!! あいつらめ。何をモタモタしてるんだ」(イライライライラ)
 診察が行われているすぐ側では、マサがイライラと貧乏揺すりで膝を上下させながら座っていた。大部屋の入り口を時折睨み付け、非常に不機嫌そうである。
ウ「せっかちだねぇ。少しは落ち着きたまえよ」(貧乏揺すりも止めたまえ、みっともないから)
マ「荷物取ってくるくらいすぐ済むだろう! それを十分も二十分もかけられたら、イライラもする!」
ウ「まだそんなに経っとらんよ。全く。少しは多目に見てあげたまえ。半分は君の為所なんだから」
マ「黙ってろ、風野。いらん事を言うな」
レ「??」
 マサとウェンのやり取りを、レムが不思議そうな顔で聞いていると、大きな叫び声が響いてきた。どこがで、誰かが大声でわめいているようだ。
マ「チッ! どこのどいつだ! 今何時だと思ってるっ!!」(他の客の迷惑だ)
ウ「確かにすごい声だねぇ。一人じゃなさそうだ」
 スッと立ち上がったマサは、大部屋の襖に手をかける。
叫び声をあげているのはどこのどいつか、見極めて説教の一つでもしてやるつもりだったのだ。「喧しいぞ! 」と、お馴染みの怒鳴り声と共に襖を開け放つ。
マ「どこのどいつだっ!!  子供みたいにワーギャー騒ぎやがって! 周りの迷惑考え……ろ」
五「ギャーッ!!!」
 マサの怒鳴り声もかきけす叫び声を上げながら、廊下を疾走してくる人物に、マサの説教は尻すぼみになって消える。客室に向かったはずの五人は、情けなく泣き叫びながらこちらに走ってきて、開いていた大部屋の部屋へそのまま飛び込んだ。
リ「ヤバイっ! マジでヤバイっ!! マジ、お辰さん怖ぇっ!!!」(ガクブル)
プ「あんなの、僕らだけで無理ですよぉ! 技使うとか、それどころじゃないっ!」
パ「ーーっ! (ぜぇーはぁー、ぜぇー)」(全力疾走し過ぎて過呼吸ぎみ)
ス「あんまりだ……」
リ「だよなぁ! だよなぁ! なぁ、サト! お前もそう思うだろ?! ?」
 大部屋に飛び込んで、各々声を上げる中、サトだけは一息ついてから立ち上がると、ゆっくり大部屋の奥へと歩きだす。少しふらつきながら、彼は奥にいたウェンの所までたどり着くと、そのままウェンの肩にすがり付くように座り込んで、何も言わずにブルブルと震え始めてしまった。
ウ「おやおや……」
レ「サトの奴が……ここまでダメージ受けるとか」(どんなだよ)
リ「サトっ!! てめーっ、ずりーぞっ!!」(俺だって兄さんにすがって泣きたいわっ!!)
サ「煩いよっ! こっちはお前にずーっと肩掴まれてたおかげで、逃げるのも遅くなったんだから! 先生も先生ですよっ!! 僕がこういうの苦手なの、知ってる癖にっ!!」(なんで行かすんですかっ!!!)
ウ「良い薬になると思ったんだけどねぇ。少々、効きすぎたようだ」(悪かったよ)
 幼い子をあやすように、すがり付いてきた弟子二人を慰めるウェンに対し、その反対方向、大部屋の入り口付近では、今や修羅のような顔をしたマサが仁王立ちで立って、逃げ帰ってきた五人を睨み付けていた。
マ「き・さ・ま・らというやつはっ!!!」(怒
プ「ひぃっ!!」
マ「俺様に二度も同じことで説教させるたぁ、いい度胸じゃねぇかっ!!!(怒  その上、悲鳴を上げて逃げてくるわ、荷物すら取ってこれんわ、 貴様ら全員それでも上戦かっ!!! 情けねぇっ!!!」
 いの一番に気づいたプスが短い叫び声を上げ、怒鳴り散らすマサを恐れて後退する。「言い訳があるなら言ってみろっ!!」と、さらにマサは脅しつける。
マ「どんな言い訳だろうが、許してはやらんがなっ!!!」(怒
許してもらえないのっ?!と行った五人は口には出さないまでも、一度そう心の中で思ってから、それでもと思い思いに言い訳してみることにした。
リ「だって、マジでヤバイんですって!!  葱朗太に会わせたのに、本人じゃないってぶちキレて、鬼火飛ばしながら蛇がどばぁーっで」
マ「その訳分からん言い訳が遺言でいいのか?」(怒
パ「リーズ! 貴様は黙っていろ! 先生! 実はですね、我々が泊まっている部屋にお辰が潜んでいまして! 葱朗太に引き合わせたのですが、彼女曰くこんなのは葱朗太ではないと」
マ「あぁん?」(怒
プ「葱朗太さんが禿げてるとか、老けてるとかで違うって言うんです!!  死んだ年が違うんだから、そんなの当たり前じゃないですか!! 僕達じゃどうしようもないですよっ! ねぇ、レス?」
ス?「だから拙者は禿げているのでなく、剃っているのですっ!! 決してハゲなどではない!!!」
全「????」
 普段ない声量でそう言い放ったレスに、他の全員は一度固まる。言った張本人は、なんですかな?と不思議そうな顔で周りを見渡し、「はて、何やら体が重いような気がしますな」と呑気に呟いた。
プ「ね、葱朗太さん?」
ス?「なんですかな?  プス殿」
レ「……レスは?」
ス?「レス殿? そう言えば、姿が見えませんな。まさか! お辰の所に置いてけぼりに?!」
 そう言って、口元に手をやったレス?(どうやら中身は葱朗太らしい)は、物に触れる感触に一度ピタリと固まった。そのまま両手で顔を触り、髪を触り、「……んなぁーっ!!」と叫び声を上げた。
ス(葱)「せ、拙者が! レス殿になっておる!! な、何故にこんなことにぃ!!」
ウ「おやおや。どうやら取り憑かれたみたいだねぇ」
リ「のんびり言ってる場合じゃないですよ、兄さん!!  レスのやつは?!」
ウ「恐らく気絶してるんだろう。早くはがさないと、もう一生、元のれっくんには戻らんよ」
他「えぇぇぇっ?!」
ス(葱)「んなっ!! それでは、お辰に拙者だと分かってもらえなくなるではないですかっ!! ど、ど、どうすれば?!」
マ「こんのド腐れ幽霊野郎が」(ガチャ)
 ぶっちんと何かが切れる音がしたように全員が思った。どこから取り出したのか、大量の銃器がレス(厳密には葱朗太)に向けられる。遂に堪忍袋の緒が切れたらしいマサは、それこそお辰に優るとも劣らない恐ろしい形相で銃器の引き金に指を置いた。
マ「十秒以内に(レスから)はがれろっ! おら、10ぅぅ! 1っ!!  アウトぉっ!!!」(パァーンッ!!)
ス(葱)「9から2はっ?!!」(避けれた)
マ「うっせぇぇ! さっさとでて逝けっ!!!」(バンバンバンっ!!!)
プ「マサ先生!!落ち着いて!! そんなの当たったらレスまで死んじゃいますよっ!!!」
パ「銃は止めましょう!!  周りも危険ですっ!!」
マ「そもそもてめーらがしくじるからだろうがっ!!!」(見境なし)
四「えぇぇぇっ?! 八つ当たりっ?!」
ス(葱)「どうすれば出れるのですかぁっ?!!!」(混乱)
レ「……(唖然)」
ウ「やれやれ。また修繕費で請求書を切ってもらわんと」
  大混乱になった大部屋で、ウェンだけが落ち着き払ってそう呟いていた。
******
 どうにか混乱が収まった大部屋は、銃痕のせいでいたるところに穴が開いていた。「それは後で戻すとして」と、どうにか怒りを沈めたマサはウェンを見た。
ウ「あぁ。れっくんなら、恐らくただの気絶だよ。疲れもあった上に、苦手な蛇を嫌というほど見たせいで意識が飛んでしまったんだろう。少し寝かせてあげれば大丈夫さ」(そこに葱さんがぶつかって憑いちゃったんだね)←サトとリーズの話で大体理解した人。
マ「そうか」←一切聞き入れようとしなかった人。
 葱朗太がどうにかはなれ、今は大部屋の端に寝かされているレスをチラリと見てからマサは満足そうに頷いた。レスの隣では、寝不足と薬の効果もあってかレムも眠りについている。そんな戦線離脱した二人を、残った四人は恨めしそうに見るしかなかった。(いいなぁ)
マ「で、なんだって? 禿げてるから葱朗太じゃないとか、そんな話だったな」
 先ほどの言い訳を思い出すように、マサは不機嫌そうな顔を四人に向けた。
パ「はい。もっと詳細に言いますと、「もっと若々しくて、髪もフサフサで、瞳はキラキラしていた」と」
サ「ほんと滅茶苦茶ですよ、こんなの」
 マサから逃げるように、部屋の端で浮いている葱朗太を一度見、サトは「実際はあれですからね」と続けた。
プ「幽霊の時間を巻き戻したりなんて、できそうにありませんし……」
リ「下手に刺激すると、蛇飛ばしてくるしなー」
マ「はぁー。確かに、一筋縄ではいかない相手のようだな。……なんにしろ、あの腐れ幽霊野郎は要済みなことだし、消しちまうか(もう役にもたたん訳だし)」(怒
葱「(ひぃっ!!  もう取り憑いてませんぞっ?! 消される謂れはありませぬ!!)」
 再び銃器を取り出して威嚇するマサに、葱朗太は震え上がりつつも抵抗してみせる。彼は彼で、お辰に認めてもらえないまま終わるのは不服なのだろう。今のままでは、逆に祓いきれないかもしれない。 
ウ「まぁまぁ、マサ。望みを叶えてやることほど、良い供養なんてものはないんだから、そう威嚇するのは止めてあげたまえよ」(大事にならない方が良いからねぇ)
 マ「チィ……。面倒だが仕方ないな」
 渋々銃をしまうマサに、四人もそして葱朗太もほっと胸を撫で下ろした。
プ「ところで……、さっきから気になってたんですが……。先生とハリトーはどこに?」
ウ「そう言えば、あの二人、どこに行ったんだろうねぇ。ユウイが何やら思い付いたことがあると言って、ハリトーを連れて出ていったが」
マ「いつも肝心な時にいないんだ、あいつは。ハリトーは生け贄ぐらいしか役にたたんがな」
サ「お二人とも聞かなかったんですか?」
 サトに言われ、肩を竦めたマサとウェンはこれからどうするかと顔を見合わせる。
ウ「とにかく、皆の荷物くらい、君が能力でここに出して上げられないのかい?  」
マ「中身まで全部分かればやってやってもいいが、それは面倒だ。服の柄とか色まで詳細に聞かねばならんからな。こいつらだって言いたくないだろうし、何より俺様がそんなもの聞きたくない」
ウ「意地悪だねぇ。じゃぁ荷物はとりあえず諦めて、一度戦教に帰るかい? 」
プ「で、でもこのまま放置するのは」
パ「貴重品もいくつか鞄に入れていますし。(何よりヒビキ用のスケッチブックが)」
リ「そうですよ、兄さん。俺もビーズとのアルバムとか鞄に入れたまま帰れないですよ」
マ「なんでそんなもの持ってきとるんだ、貴様」(無駄な)
サ「お二人がお辰さんを退治してくれたりとかはしないんですか?」(それで万事解決しそうなのに)
マ&ウ「「今日は戦闘する気分じゃない」ねぇ」
四「(気まぐれかっ!!!)」
ウ「私達がやっちゃうと、旅館が吹っ飛ぶ可能性もあるしねぇ。それこそ、荷物は確実に諦めてもらわんと(たぶんどっか飛んでく)」
マ「大体なんで俺様達が、貴様らの尻拭いをしてやらんといかんのだ。最後までやりきるつもりだった、さっきの威勢はどうした?」
 うっと短く四人がうめき声を上げた時、ガラッと大部屋の襖が音を立てて開け放たれた。
ユ「やっほー☆ 今帰ったよー」
 にこやかに、晴れ晴れとした顔でユウイが大部屋に顔を出した。彼は一度大部屋を見回して、ある程度状況を悟りはしたようだが、一応「で、どうだったー?☆」と四人に尋ねる。
プ「……惨敗でした(泣」
ユ「やっぱりねー☆  そうじゃないかと思ってたよー。ネギ五郎、残念だったね。なんでそんな端にいんの?」
(あと、なんでこの部屋、穴だらけなの?)
リ「やっぱりねーってひどいですよ、ユウイ先生!」(頑張ったのに!)
ユ「ゴメン、ゴメン☆  頑張ったご褒美に、頭ナデナデしてあげようか?☆」
リ「いや、それはいいッス」(されるんなら、兄さんがいい)
マ「ユウイ、茶番はいい。どこに行ってたんだ?  あと、生け贄(ハリトー)はどうした?」
葱「(すでにはりとー殿は生け贄扱いですか……)(なんと冷酷なお人か)」
 ギロリと葱朗太を睨み付けるマサに、そんなことはおかまいなく「そうそう、ハリトーね」とユウイは返すと、廊下に向かって「ハリトー、   早くおいでよー」と声をかける。
ユ「あのね、マサ、ウェン、聞いて! 僕、すっごくいいこと思い付いたの☆」
ウ「いいこと?」
ユ「そう! 五人には悪いけど、あっ、レスは寝てるから四人か、ともかくあの作戦はなんとなく失敗すると思ってたから、別のを考えなきゃなーって思って☆」
マ「あぁん? なんで失敗するなんて分かってたんだ? 」(それならそうと先に言え)
ユ「マサの考えた作戦だからっ!!」
マ「(イラッ)」
ユ「怒んないでよ~。その代わり、ちゃんといい作戦考えたから☆  これを思い付いた時には、もう僕、天才☆って思っちゃった☆」 
マ「前置きはいいっ! 風野が寝る前にさっさと作戦とやらを言えっ!」
 話が長いせいか、座ったまま船をこぎ始めたウェンの頭を小突きつつ、マサはユウイに先を促した。廊下からハリトーが帰ってくる気配はまだない。残る四人は顔を見合わせた。普段の彼なら、自分が呼ばれていると分かった瞬間、勢い良く出てきてもおかしくないはずだからだ。
ユ「ぷー(拗  もっと誉めてくれたっていいじゃん! お辰さんの被害に合う人が皆若くて、ちょうどハリトー達と同じくらいだったのに、ネギ五郎はそれ以上の年齢に見えるから、本人とは思ってもらえないかもって折角気付いたのに! なら、ハリトーの方がネギ五郎よりもっともーっと老けたとこを見せれば、分かってもらえるかもと思って色々やったんだよ?」
 頬を膨らませ、拗ねてみせるユウイに全員がまさかという顔を向けた。その時、廊下からゆっくりと誰かが大部屋に入ってきた。
ユ「ねっ! ハリトー」
ハ「……いぇ~ぃ、だじぇ~……」
他「……ふっ、アーッハッハッ!! ヒィーっ!!」
 全員がその姿を見た途端、大声を上げて笑う羽目になった。それもそうだろう。ハリトーはいつもの彼とは似ても似つかない姿に変身していた。まず顔中にペンでシワが大量に書かれており、つけ髭らしい白髪のちょび髭が申し訳程度に鼻の下に張られている。服は旅館の浴衣に着替えていたが、その下に年配の男性がよく履いている股引きと腹巻きを身につけていて、おまけに足元はトイレスリッパだ。そして何より、その頭頂部は綺麗に丸くなっていた。
リ「はーっ、な、なんなんだよ、ハリトー!! その姿は!ぶふっ!!」(爆笑)
ハ「ユウイ先生が、こうすればお辰から身を守れるって言うから~……だじぇぃ」
パ「……フッ。言ってくだされば、フフッ。老け顔のメイクくらいのお手伝いはしたというのに……フッ」(必死で爆笑を抑えてる)
ユ「あんまり老けて見えない? なら後でもうちょっと手を加えてもらおうかなっ☆」
ハ「真っ黒黒介~っ!! 後で覚えてろっ!だじぇぃ!」
プ「で、でも、でも! 確かに葱朗太さんよりは老けて見えるよ、ハリトー」(苦笑いしつつ)
葱「(はりとー殿! 拙者の為にそこまでっ!!)」
ハ「葱太郎のためじゃないぜぇーぃ! 俺っちのためっ!!」(生け贄なんてごめんなんだぜーぃ)
サ「ーーっ!! はーっ!!」(大爆笑)
マ「フフッ! 良かったな、ハリトー! 男前が上がったぞ!」(やはり爆笑)
ハ「どういう意味だぜぃっ!!(怒 老けて男前が上がってたまるかっ!!」
ウ「それにしても……、髪まで剃るなんて本格的だねぇ」(フフフ)
ユ「ばれたら大変だからね! 成功確率90%にするには、これが一番だよ☆ それに、ネギ五郎に少しでも近づけなきゃと思って☆  ちょっと並んでみてよ!」
 渋々、ハリトーは葱朗太と並んでみる。以前とは反対に、葱朗太の方が若く、ハリトーの方が老けて見えるようにはなったが、全員がまた吹き出す結果になった。
ハ「皆してひどいぜーぃ!! 俺っちのプリティフェイスと、自慢のお髪が~っ!! 伸ばすの大変なんだぜぃ、あれ」
ユ「我慢しなって☆ 命の方が大事でしょ? 顔は洗えば元に戻るし、髪だって生えてくるんだから。その間は、鬘でも被ってなよ。僕が特別に発注してあげる☆」
 萎れるように崩れ落ちるハリトーを尻目に、サトだけはまたツボにはまってしまったのか、一人で笑い続けていた。
マ「よしっ! 少ししたら生け贄(ハリトー)連れて、貴様らの客室に行ってやろうじゃないか。これでダメなら強制執行だ。あんたも、その時は諦めろ、葱なんちゃら」
葱「(葱朗太でございますっ!! 良いでしょう! それで手を打たせていただきます! 拙者も男です。ダメなら、潔く身を引いて、あの世でお辰を説得するとしましょう!)」
 決まりだなとマサが言い、深夜二時頃、部屋へ向かうこととなった。
リ「それまでの間、俺らも寝るかぁ!」
プ「そうだね、疲れちゃった」
ハ「俺っちもー」
ユ「ハリトーはあんまりゴロゴロしちゃダメだよ。化粧が落ちちゃうから☆」
パ「その時はさらに老けた顔に塗り直してやりますよ(少し楽しんでる)」
サ「僕もちょーっと手、加えちゃおうかな~。楽しそう」(フフフフ)
ハ「お前らは俺っちに触るなっ、だぜぃっ!!(こんな時ばっかり仲良くしやがって!!)」
マ「束の間の休みだ。好きなようにしろ。俺らは風呂にでも浸かりにいくか。風野、お前、まだ入ってないだろう?」
ウ「あぁ、いいねぇ。でも私はもう寝てもいいんだけどな」(眠そう)
ユ「今度はウェンも一緒に行こ☆ 温泉気持ちいーよ~☆」
 大部屋を出ていく三人の姿を見送りつつ、「結局あの人達が一番自由で、一番楽しんでるんだよなぁ」と思ってしまう五人だった。
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