紅露と黒巳と紫陽花のオリジナル小話不定期連載中
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六月ですなー。もうすぐ、また一つ歳をとるよー。梅雨入りしたって言ってたけど、今日なんかは晴れてたし、久しぶりに雨じゃない誕生日を迎えられるかもしれないな(笑
やっとこさ本業のうどん打ちを先週やりました。腕と腰が痛い! 上司に言わせると、それはまだまだ序の口らしいです。数こなして慣れろ!だそうです。まぁ、たったの三日である程度まで打てるようになったんだからすごいよねっていうただの自慢話でした。
今月の休日が分かったのでまた載せときます。 それと、せっかくの六月、父の日なので私の大好きなあの義親子のお話を載せていくよー。今回はちゃんと子供らも大活躍!……してるはず。
六月の休日は土日が基本休みです。12日は簿記の試験があるので、どうなるか分からない。あと、18日は出勤で代わりに19と20が連休。連休、なんていい響きなんだ。祝日のない六月万歳。七月もこうならいいのになー。
続けて「父の日とプレゼント」。うん、本編とは全く関係のない妄想の産物です。別物として考えてもらって結構です。たぶん実際は、こんなに気にしたりとかしてません。相変わらず前置きが長い。
「父の日とプレゼント」
厚い雲に覆われた空から、ほんの少し太陽が顔をだしていた。どんよりとしたという表現が似合う、六月のある日のこと。忙しそうに書類を整理する音と、軽快な音楽が隣から聞こえてくる部屋で、部屋の主・超音マサは、日めくりカレンダーの前に立っていた。五枚ほどそのカレンダーをめくり、現れた日付にいつもは厳格そうなその表情を少し緩める。かと思うと、パッとカレンダーの前から離れて椅子に座り、おもむろに机の上から書類を取り出すと一心不乱にそれを読み始めた。それから少しして、両隣の扉からコンコンとノックの音が響くと、それぞれのドアから二人の男が顔を出した。
なんか三馬鹿は気づけばいつでもお茶してる雰囲気がある。むしろ常に菓子食べてない?ってぐらいの勢いで食べてる気がする。いい年したおっさんなのに。まだまだ続くぞ、父の日特別編。ここから少しの間は、子供達のターンです。もしかしたら中編入ることになるかもよー。
続けて「父の日とプレゼント」。うん、本編とは全く関係のない妄想の産物です。別物として考えてもらって結構です。たぶん実際は、こんなに気にしたりとかしてません。相変わらず前置きが長い。
「父の日とプレゼント」
厚い雲に覆われた空から、ほんの少し太陽が顔をだしていた。どんよりとしたという表現が似合う、六月のある日のこと。忙しそうに書類を整理する音と、軽快な音楽が隣から聞こえてくる部屋で、部屋の主・超音マサは、日めくりカレンダーの前に立っていた。五枚ほどそのカレンダーをめくり、現れた日付にいつもは厳格そうなその表情を少し緩める。かと思うと、パッとカレンダーの前から離れて椅子に座り、おもむろに机の上から書類を取り出すと一心不乱にそれを読み始めた。それから少しして、両隣の扉からコンコンとノックの音が響くと、それぞれのドアから二人の男が顔を出した。
「やっとこれだけ終わった……。ちょっと休憩……」
心底疲れたような顔をして、両手一杯に抱えた書類と共に現れたウェンは、そう言って抱えていた書類をマサの机の上に置く。ずれ落ちかけていた眼鏡をもどし、「君はどれだけ進んだ?」とマサの机の上をのぞき込んだ。
「……なんだ、まだ四分の一も終わってないじゃないか」
「そんなことはない。ここにある山は終わった分だ。まだ終わってないのがあと四分の一なんだよ」
「どうせまた、ろくに読みもしないでサインだけしたんじゃないの? マサってばすぐめんどくさがるから」
「そういうお前はどうなんだ、ユウイ。ちゃんと届けたんだろうな?」
「もっちろん! ほらこの通り、ビリーにつけた封筒は見事に空っ!」
「カラッカラッ! アァー!!」
腕に止まらせたオウムがユウイの真似をしてそう鳴く。ウェンとは反対側の部屋から入ってきた彼は、腕に止まっていた赤いオウム・ビリーの背を軽くなでると、側にあった窓から彼を外に離した。分厚い手袋をはずすと、「これ、おじちゃんのサインね」と一枚の紙切れをマサの机に置く。渋々それを受け取ったマサは、小さなファイルにそのサインの書かれた紙をはさんだ。それからウェンの持ってきた新たな書類の山を自分の方へと引き寄せ、「茶いれてくれ」といわんばかりの目で、立ったままのウェンをみた。
「はいはい、今淹れるよ。ちょっと待ってて」
「ところで、マサってば最近よく日めくりカレンダーをみてるけど、なんかあるの?」
「あぁ?」
ウェンがお茶を淹れるために自室に引っ込むと、ユウイがそう切り出してマサをみた。一瞬ドキリとしたのを隠すように、「なんでもねぇ」と答えると、彼は書きかけだったサインを急いで書き、次の書類を取り出した。
「何かあるの? とか、なんで思うんだ?」
「だって、マサってば日頃カレンダーめくらないし、そもそも見ないでしょ? それがここ最近、妙にそわそわしながら見ているのを見かけたら、何かあるのかなって誰でも思うよ」
「ふぬ……」
「で、嘘つかないではっきり言ったらどう? 何があるの、マサせんせ」
「お待たせ。お茶はいったよ」
大きな盆の上に、紅茶を飲むためのセットを一式と本日のおやつらしきスコーンの載ったお皿を手に、ウェンがドアを開けたのはその時だった。マサはここぞとばかりに席を立ち、ユウイは一度小さく舌打ちをすると口をとがらせてウェンを見た。しかし、相手はそんなものどこ吹く風で、悠々と庭にあるテーブルで用意を進めていくのだった。
「今日はなんだ?」
「ん? あー、紅茶はオリジナルブレンド。スコーンはお好きなジャムやバターでどうぞ」
「ウェンってばタイミング悪すぎるよー」
「えっ? スコーンは嫌だったかい?」
「そうじゃなくって……」
呆れ顔のユウイの様子を見ていないかのように、マサはさっさと椅子に座ると淹れられた紅茶に角砂糖をいくつか入れ始めた。渋々ユウイも椅子に座り、ウェンが一つ空いた席に腰掛ける。そのまま、特に何かに気をかける様子もなく、彼は本を広げ始めた。
「(……ほんと鈍感だなぁ、ウェンは……)」
鈍感というよりも興味がないと言った方が正しいような気もするが、彼はそこまで冷たい人間でもないのでおそらくは本当に鈍感なのだろう。ユウイは話の続きを振ろうと、マサの方を見るが、ツンと澄ました顔で多量のブルーベリージャムを塗ったスコーンをかじっている彼に、話かける気はどうしても起こらなかった。
「ねぇ、ほんと何で最近カレンダーを見てそわそわしてたのさ?」
「しつこいな、貴様は。なんでもないと言ってるだろう」
「絶対何かあるもん! あんな気持ち悪い笑い方してるマサ、僕初めてみたもん」
「気持ち悪いだぁ?!」
暫しの休憩タイムも終盤を迎え始めた頃、またもユウイがその話題を話だすと、マサは機嫌悪そうに顔をしかめ、ユウイを睨みつけた。いい加減にしろと言いたげだが、それぐらいではユウイも引かない。
「……えーと、何の話で喧嘩してるんだい?」
「マサがそわそわしてる話」
「違う。こいつがしつこい話だ」
「……何にしろ、仕様もないから止めなよ」
「「仕様もなくないっ!!」」
読書をしていて何の話かがさっぱり飲み込めないのか、ウェンは困りきった顔で睨み合う二人を見ていた。こういう場合、自分は片づけに従事した方が良さそうだと気づいて空いたカップや皿に手をのばすが、すでに遅かった。
「六月でマサがそわそわするような行事ってない?! ウェン!」
「そんなもんないっ! そうだろ、風野!!」
「いや、私にふられても……。てか、両方からふらないでおくれよ」
「マサの誕生日はまだまだ先だし、確かに半年の節目だけどだからって……」
「だからないと言ってるだろうがっ!」
「……父の日は?」
「「?!!」」
そういやそんな日があったという顔をするユウイ、なんで言うんだとばかり顔をしかめるマサの二人に顔を向けられながら、「確か今週の日曜だったよね」とのんびり言うウェンは、シャツの胸ポケットから手帳を取り出す。
「あぁ、ほら。六月の第三週の日曜日。父の日ね」
「……たくっ」
「ほえ~。すっかり忘れてた。パパに何か買ってあげなきゃ……。はは~ん」
一瞬、自身の父親へのプレゼントに気が移っていたユウイが、したり顔でマサをみる。明らかに機嫌が悪くなったらしいマサはそれを睨みつけるが、ユウイはしたり顔を止めない。
「……だぁ~!! もう、分かったんだろっ?! とっととそのしたり顔を止めろ!!」
「しかしそうか。あのマサがね~」
ついに君も親孝行する気になったわけだ。
空のカップやポットを片づけながらウェンがつぶやいた一言に、二人はキョトンとした顔を向けた。何言ってるんだと言いたげなその顔を見て、スコーンの入っていたバスケットを手に取ったウェンは「あれ?違うの?」と不思議そうに眉をひそめた。
「ユタカさんに何かしてあげる気になったんだろ?」
「なんで俺があのバカ親父に何かしてやらなきゃならんのだ!! アホか、お前は!!」
「ウェン~、マサの性格からしてそれはないでしょ?」
「え~? じゃぁ、何をそんなにそわそわするのさ? あげるのが恥ずかしすぎて、そわそわしてたんじゃないのかい?大体一回ぐらい、何かしてあげてもいいと思うけどね」
「じゃぁ、お前が代わりにやってやれ。その方があのバカ親父も喜ぶだろうよ」
説教じみたウェンの言葉にさらに不機嫌になったのか、マサは投げやりに答えるとそっぽを向く。答える気のなさそうなマサを見て、ユウイがウェンに耳打ちするため体をテーブルに乗り出した。
「あのね、ウェン。マサはあげるからそわそわしてたんじゃなくて、もらえるかどうかが分かんなくてそわそわしてたんだよ」
「もらう? 誰に?」
「もう! ほんとに鈍感すぎるよ! レスだよ、レス!」
ユウイの口からでた名前に、ウェンは少しの間何の反応も示さなかったが、ややあって「あぁ、そうか」と呟いた。
「そういや、養子だったね」
「貴様、そういやとはなんだ! そういやとは!」
「いやー、レス君は働き者だから、ついついマサの養子だってことを忘れちゃうんだよ」
苦笑いするウェンにマサがつかみかかるのを、ユウイが必死に止める。今にも噛みつかんばかりの勢いのマサを前にしても、ウェンは余裕の笑顔のままで「さてさて、じゃぁ片づけるかねぇ」とのんきなことを言い始めた。
「しかし、そんなそわそわしなくたって、レス君はちゃんとそういった物はくれるんじゃないかい? 君の誕生日にも、君の好物、プレゼントしてくれたんだろ?」
「…………。誕生日からすでに十日以上経っていて、バレンタイデーの余りのセールに出されたチョコなんぞ、プレゼントとは言わんだろーが!!」
「でも、ほら。あげる気はあったわけだし、父の日を知らないってこともないんだろ?」
「……」
そうウェンが言った途端、マサは無言のままテーブルに突っ伏した。それを見て、まさか……とユウイとウェンの二人は呟き、お互いに顔を見合わせる。
「「まぁ、自業自得かな」」
「……お前らには人を慰める言葉とかないのか?!」
「「今までやってこなかったマサが悪いよ」」
二人そろって真顔で言われると、もう言い返す気さえ起こらないのか、再度マサはテーブルに突っ伏した。そのままボソボソと、「一応あいつにカマかけてみたんだが……」と独り言のように呟き始める。
「全くの無反応だったんだね」
「……むしろ、何言ってるの?と不思議な顔をされた……」
「……うわ~、その様子すごく目に浮かぶ」
「……全く、あいつは日頃面倒見てやってる恩を忘れて……」
「ハイハイ、寂しいのね」
「レス君って、意外に鈍感なんだなぁ」
「ウェンほどじゃないと思うけど……」
苦笑いして言うユウイに、えーという顔をウェンが向けるが、ユウイは気づかないフリをして、「結局どうしたの?」とマサに尋ねた。
「いくら説明しても分かりそうになかったから、とりあえず何かよこせと言っておいた」
「脅しっ?!」
「素直に説明できなかっただけなんじゃ……痛いっ!」
何か言ったかと言わんばかりの形相で、マサがウェンの髪をつかんで引っ張る。目にかかるほど長い彼の前髪の内、ちょうど握りやすい真ん中の一房を握られ、ウェンは悲鳴をあげる。が、マサは機嫌が悪い分のやつあたりか、それを離そうとしない。
「頼むから離してくれ! またあとがつくだろ!」
「強く握られたくらいであとがつくような髪質してるんじゃねぇよ」
「だからって君みたいな堅い髪質は嫌だよ」
「なんだと、この白髪!!」
ギャーギャーとマサとウェンが騒いでいるのを横目に、ユウイはそっと席を立った。何か面白いことを思いついたような笑顔を浮かべて、ある人物を探しに彼は校内へと向かった。
数日後の、土曜日。
バス停の前で、六人の男女が談笑していた。金髪が二人と、茶髪が三人、黒髪が一人。ディアンとリーズの守元兄弟、デビとサトの砂地兄弟、そしてレイとビーズの九尾姉妹だ。それぞれの兄・姉達は、ちょっとしたおしゃれをして、小さな荷物と切符を手にしている。
「じゃぁ、ウェン兄さんのプレゼントは頼んだわね、お姉ちゃん」
「えぇ、任せて。飛びきりいいのを選んでくるわ」
「ビーズ、俺に任せとけって!! 君が喜ぶようなやつを絶対に見つけるから!」
「兄ちゃん、ビーズさんを喜ばすんじゃないんだぜ?」
「~っ! 分かってるに決まってるだろ、ディアン!」
苦い顔をするリーズをほんとに分かっているのかと言いたげな顔で、ディアンとレイが見上げる。彼のビーズへの愛情の深さは認めるが、今日ばかりはそうされては困る。
「大丈夫だよ、二人とも。僕がついてるんだからさ」
「兄さんも変な物買ってきちゃだめだよ?」
「……やだなぁデビ。僕だってふざけて良い時と悪い時の違いくらい分かるよ」
一瞬ギクリとしつつ、さわやかに言い切るサトに残りの五人が冷ややかな視線を送ると、彼は「信用ないなぁ」とため息をついた。
「ミナトシティでスミレとも合流するから、三人とも安心してっ! あたしとスミレで、二人がふざけるのは絶対阻止するから!」
「えぇ、まぁ期待しとくわ。お姉ちゃん」
少し不安げにレイが返事をした時、向こうからバスが走ってくるのが見えた。ミナトシティに向かっていくバスだ。バス停に止まったそれに乗り込むと、二人の兄と一人の姉が「夕飯までには帰るね」と言ったところで扉が閉まり、バスは出発した。なんか三馬鹿は気づけばいつでもお茶してる雰囲気がある。むしろ常に菓子食べてない?ってぐらいの勢いで食べてる気がする。いい年したおっさんなのに。まだまだ続くぞ、父の日特別編。ここから少しの間は、子供達のターンです。もしかしたら中編入ることになるかもよー。
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