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紅露と黒巳と紫陽花のオリジナル小話不定期連載中
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 相変わらず近況がたいして報告できそうなものではないです。分かりやすい成果が出せれば良いのだけれど。

 どうでもいい最近の兄弟の会話。
 ふざけて弟にからんでいたら反抗してきたので、
 「知らんの?姉には弟をいぢめる権利があるんだよ」
 と言ったら、
 「じゃあなんだ。弟には姉に甘やかされる権利があるのか」
 と返してきました。
 別にいいけど、お前こそ甘やかされる準備があるのか。果たして。
 基本的に冗談です。

 まったく関係無く以下に短い物。

 


 はさみはそれ用のものではないけれど、別にいいと思った。
 どうせなら大きいものの方がやりやすいかと、裁ちばさみにしてみた。
 乾いて冷たい風呂場のタイルの上に、一応新聞紙を広げて、座り込む。
 ごとりと目の前に裁ちばさみを置く。
 やはり少し大きすぎたかもしれない。今更取り替える気もおきないけれど。
 髪留めをはずす。
 うつむくと、ほどけた髪が肩からこぼれていく。
 随分とのびたものだ。
 視界を塞ぐ役にしか立たないのに。
 だからもう切ってしまおう。
 今日、これから、この髪を、短く切ってしまう。
 髪をほめてくれたあなたがいなくなってしまうから。
 きっと、なにかの序でにわたしの髪をほめたことなど、あなたは忘れているのでしょう。
 そう思いながらものばし続けた髪だった。
 本当は髪など大して重要なものじゃなかった。あなたには。
 だってあなたも、あなたの隣にいる人も、短い髪をしている。
 そんなことは知っていた。
 だから今日、切ってしまう。
 さきり。
 まずは目の端にかかるものから。
 さきり。
 新聞紙の上に髪の束が落ちる。
 髪が紙の上に落ちて音を立てる。軽そうに見えて、やはりひどく重いものだったのだ。
 さきり。さきり。さきり。
 新聞紙の上に座って、首にタオルを巻いて、髪をばらばらにして。今のわたしの姿は、きっとひどく滑稽だ。

 さきん。

 黒く重たい髪が、足下にうねりひろがっている。
 切り離してみると、思っていた以上に長かった。
 蛍光灯の光をはじいてつややかだ。黒は光を吸収する色のはずなのに。何故こんな艶がでるのか、思えば不思議だった。
 切ったばかりの髪は、なんだかまだ生きていて、切り口が刺さりそうだ。
 一束すくいあげて口づけた。
 ああ憎らしい。

 
 突発的に「髪の毛」で何か書きたくなったのです。
 こう…女の情念的なものってどうやったら表現できるのかなあ、と。ちょっといつもと違う感じで書こうとしました。あまり上手くいっているとは言い難いけど。
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