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紅露と黒巳と紫陽花のオリジナル小話不定期連載中
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 大掃除で全部終わらなくて、結局いまだにちまちまと机の中を片付けている黒巳です。
 昔使ってたメモ帳を捨てました。ネタ帳という程のものでもなく、ふと思いついた断片とか、いずれ発展させて話にできないかな、と思ってたものとか色々と。あらためて見ると、もう使わんよなあ、というものが多く。たいていは書いた時の自分が遠すぎて、もはやよく分からないものになっています。
 で、貧乏性発動して、一部だけここに置いておくことにしました。もしかしたら既出のものもあるかもしれません。


 最近漱石の短篇集を読んでいたら、「野分」の中に、前回書いた話のふたりにぴったりな表現を見つけました。
「天下に親しきものが只一人あつて、只此一人より外に親しきものを見出し得ぬとき、此一人は親でもある。兄弟でもある。さては愛人でもある。」
 いや友人関係の説明なんですけどね。(つまり前回の向坂は友達いない)
 傍から見ると友人としか表現のしようがないんだけれど、でも一口で説明しきれない諸々を含んでいて、そのどれかで言い表すと、それ以外の要素が拾えなくなってしまう、そんな関係はあると思います。
 というか、私がそんな関係が好物というか、なんというか…。
 これに限らず、漱石を読んでいると「そうだ、これだっ」と思わされることが多いです。自分が持っている感覚や、考えの、うまくまとまっていないもやもやを適切に言葉にされているのに出くわすと、「やられた!」という気分になります。
 つまり私は漱石が好きです。


 つづきにイタイポエムみたいなのが入ってます。若さってイタイ。

大好きだよ、とその言葉しか知らないように
その言葉にしがみつくように
ただ大好きだよとくりかえした


永遠につづくものをひとつでも持っているか
永遠になるものがひとつでも傍にあるか
永遠にのこるものをひとつでも作れるか
永遠とは何か知っているか


国を巡り 街を移り
旅人は旅を続ける
人々は彼を自由な魂をもつものと呼ぶ
旅人の心は
ただ一つの場所に繋ぎ止められている
心を置き忘れたまま
空っぽになった旅人は旅を続ける


伝えたい気持ちを裏切って
言葉は僕の中から出ていった


背中合わせのぬくもりは
今は冷たい
壁の熱


泣いてしまえば楽になるのか
抱いてしまえば楽になるのか
想いは不純ですか
行為は汚れていますか


死んでしまえと吐き捨てた
何に向けたのか僕にも分からず
涙が流れた
そうじゃないと分かっていた


悲しみに胸をつかまれて
胸の奥には届かない爪を
代わりに腕に突き立てた
痛みだけが確実に私になり
その痛みに私は安堵した
指先にもう少し力を加えた


君がすがりつくような拒絶の仕方をするから
何を言われてもこの手をはなしちゃいけないと思ったんだ


孤独を喜び寂しさを楽しむ
傷つきたくないから
この傷を後生大事に抱え込む


この耳にはもうあの声は残っていない
この指はもうあの熱を覚えていない
そのことが哀しい


それが傷つけるだけの結果に終わったとしても
それでもあれは愛であったと言ってもいいですか

それはまちがいなく愛だった
けれどそれはあまりにもはげしい愛だった


目を覚ますとあの子がいないのがわかった
すぐにわかった
それを愛のためだと言える人は強いと思った
それが愛だと言えればよかった


日々は忘却
傷を負うための人生


残る心はたださみしい


ひとりでは笑いあえない
ひとりでは傷つけられない
刻まねば形はできない
私を傷つけてくれ
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