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紅露と黒巳と紫陽花のオリジナル小話不定期連載中
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めちゃくそ長い、二日目がはっじまるよー

 まだ空も暗い明け方。旅館の露天に、一人で浸かる人物がいた。肩まで湯に浸かり、幸せそうな笑顔を浮かべたレスは、「はぁー」と満足そうなため息をついた。人前で入るのは苦手だが、常に冷感を感じているだけあって、実は大の温泉好きなのだ。風呂も好きだが、家にある風呂では、入っても自分の能力のせいですぐぬるくなってしまい、いつも満足できなかった。源泉掛け流しの温泉なら、常に温かく、満足するまで入ることができる。ただ、そんな唯一の至福の時でも、困るのが人の目だった。今も、気を抜きつつも耳だけは脱衣所の方に集中させていた。いつなんどき、従業員や朝風呂好きの奇特な人が訪ねてくるか分からないからだ。自分の火影の刺青やら傷跡やら青あざだらけの体を、誰かに見られるわけにはいかない。特に旅館の人に見られたら追い出されかねない。先輩方には悪い気もしつつ、一時の幸福を噛みしめるレスだった。
 
 
 
 ピチチチチチ……。外で何かの鳥が、大声で朝を告げて回っている。目を覚ましたリーズは、昨日の激戦(卓球)のせいで、筋肉痛になり、体を起こすのも辛い状況に陥っていた。やっとこさ体を起こし、長い前髪をかきあげて、お気に入りのカチューシャをつける。イタタと言いつつ、肩を回し、少しでも筋肉痛が和らがないかと試みるも、それは逆に痛さを増すばかりだった。
 サ「ったく。卓球ごときで情けない……。マジになって、豪速球で打ち合いなんかするからだよ」 
 リ「うるせぇなっ! お前だって人のこと言えた立場かよっ! パズと一緒にサウナでぶっ倒れてたくせにっ! 脱水症状起こしてて看病すんの、大変だったんだぞっ!! ハリトーはこういうとき頼りにならねぇし、頼みの綱のプスはもう寝てるしで俺が全部ひと」
 サ「それはそれ。これはこれ」
 すでに起きて洗面台にいたサトがピシャリと言い放つ。だが、ほんの少しバツの悪そうなその背中を見て、リーズはフフンと笑った。
 リ「俺はぶっ倒れてねぇからな。ぶっ倒れて気失ってた分、情けなさじゃお前のが上だぜ?」(へへーん)
 サ「(イラッ)湿布臭いやつがよく言うよ。てか何? なんで湿布持ってんの? 筋肉痛になる前提で持ってきてたわけ? ばっかだねぇ。自分の運動不足を露呈してるようなもんじゃない」(ハンッ)
 リ「ちがっ! これは兄さんが勝手に入れてたんだっ!! 俺は別に入れてなんて」
 サ「でもしっかりお世話になってるってことは、先生にはお前の運動不足がバレバレってことでしょ? 体力と運動だけが取り柄のやつが、その運動で筋肉痛起こしてる上に、保護者の世話になってるなんて情けないことこの上ないよ」
 リ「そんなこと言ってるけどなっ! 昨日お前に飲ませた薬だって、兄さんのだからな!(栄養剤的なやつ) しかもお前のカバンに入ってたやつだしっ!」
 サ「嘘?!(先生、いつのまに!)」
 リ「そう考えたら情けない度はやっぱりお前のが上だろ!」(ふふん)
 サ「〜っ!!! まぁいいよ。今回くらい言わせておいてあげるさ。 代わりに僕の守護霊に何されても知らないけどね」
リ「?! 何それっ?!」
 身支度を整えつつ、ニヤリと笑って見せるサトとその口から出た言葉に、リーズの顔は目に見えて青くなった。サトはその反応にさらに意地悪い笑みを浮かべると、「あぁ知らないんだっけねぇ」と続けた。
 サ「昨日レスが教えてくれたのさ。僕の背後には、黒髪に白い服着た守護霊がいるってね。僕を災いから守ってくれる、神霊に近い何か、がさ。だから、僕に意地悪なんかするやつにはきっと何か仕返しを」
 無論、全て出まかせの嘘だ。しかし、レスの名前を出したこともあってか、リーズには効果的面だったようだ。真っ青にした顔に加え、ガタガタ体を震えさせながら身支度を済ませた彼は、「きょ、今日の朝飯はな、何かな~」と話題を反らせつつ、部屋のドアを開けた。
 ドアを開けてすぐ隣の部屋へと顔を向ける。まだ他の奴らも起きてきていないようだ。仕方ないから起こしてやるかという気持ちで一歩、そちらへ踏み出したリーズの目に信じられないものが写った。白い布団のようなものの上に、黒い髪が乗っかった物体。ちょうど、隣の柊の間と桜の間の中間辺りにいた、まさに先刻聞いたばかりの特徴に合致するそれを見つけて、リーズは固まる。何もできずに数秒固まっているうちに、リーズの頭にフラッシュバックしたのは
 『代わりに僕の守護霊に何されても知らないけどね』
 というサトの一言。
 リ「(いやいや、そんなことありえるわけな)」
 ?「(モゾッ)ん、んんー?」
 リ「ぎあぁぁぁあぁぁぁあっ!!!!」
 ブンブンと首を振っていた最中、もぞもぞと動いて見えた青白い顔に乱れた黒髪と赤い目を見てリーズは叫び声を上げた。
 レ「っ?! 何なに?! どうかしたのかっ?!」
 リ「すいませんんーっ!! 許してっ!!!」
 レ「はっ? 何? 何してんだよ、リーズ?」
 サ「それはこっちが聞きたいよ、レム」
 叫び声が煩すぎたのか片耳を抑えつつ部屋から顔を出したサトが、慌てふためいた顔のレムにそう言う。
 泣き叫ぶリーズに五体投地のごとくひれ伏され、状況が飲み込めないという顔で、レムはサトの顔を見つつ立ち上がる。そんなレムの肩には旅館の真っ白な掛け布団がかかっており、よほど寒かったのか顔は青白くなり、確かに霊的な何かに見えなくもなかった。
 サ「あんな簡単な嘘に騙されるなんて。単純すぎて笑えもしないね」
 レ「あー、つまり俺を幽霊か何かに間違えたと」
 なんとなく事情が飲み込めたレムが白い目でリーズを見下げる。やっと目の前にいるのがレムだと認識したリーズは、赤面しつつ、「てめーが、そんなややこしいかっこしてるからだろっ!!」と怒声を上げた。
 リ「大体何やってんだよ、こんなとこでっ!!」
 サ「まぁ、なんとなく理由は分かるような気もするけどね」
 レ「……」
 言うと、レムは見る間に顔を暗くした。
 レ「そりゃ俺だって、こんなくそ寒いとこで寝たくなかったって。でも中よりマシ、もう千倍くらい。あいつら(パズとハリトー)かなり遅くに帰ってきたと思ったら、ハリトーが何も言わずにパズを投げつけてくるし。俺がびっくりしてる間に喧嘩おっぱじめて、話聞いてくれないしで、もう最悪で。やっと寝たかと思ったら寝言でも喧嘩し始めるし」(シクシクシクシク)
 リ「お、おぅ……」
 サ「ごめん、やっぱり聞いた僕らが悪かったよ」(だから泣くな)
 顔を覆って泣くレムの肩に、ポンポンと慰めるように手を置く二人だった。
 パ「なんだ喧しい……」
 ハ「朝っぱらからなんだぜ〜ぃ……(ふぁ〜)」
 プ「どうしたの〜?」
 ここまで来てようやく、柊、桜それぞれの間の部屋から同僚たちが顔を出した。眠っていたのを無理に起こされて、パズだけでなく普段明るいハリトーやプスも不機嫌そうである。
 パ「でかい声で騒ぎおって。そんなにお日様に会いたいのか、ヒマワリが」
 ハ「んん? レム、お前そんなとこにいたのかだぜぃ? 何してんだぜぃ、布団持って」
 レ「なんでってお前らのせいだよ(ボソッ)」
 パ&ハ「「なんのことだ??」」
 レムのボソリと呟いた言葉に、パズとハリトーは揃ってそう返し、予想外に揃ったことに非常に渋い顔をした。
 プ「あれ? レム、僕らの部屋に来なかったの?」
 レ「ソレだよっ! プス、ひどいぜーぃ。なんで部屋に鍵なんかかけるんだよ!」(思わずハリトー化するレムさん)
 プ「えぇ〜っ! 僕、鍵なんかかけてないよっ? だって確実にレムが来るって思ってたし」
 レ「俺が入ろうとした時にはかかってたぜ? 仕方なく紅葉の間にも声かけたけど、爆睡してたのか応答ないし」
 サ「それは、たぶん爆睡してたろうね」(こっちも疲れてたから)
 プスとレムの間に何やらすれ違いがあるようだと察し、サトがそちらの方へ話題を持っていこうとしたときだった。
 ス「ふあ〜……。どうしたんですか?」
 プ「あっ。レス、おはよう」
 桜の間の奥からあくびをしつつ、レスが顔をだす。一番遅くに起きてくるあたり、さすがである。
 プ「早速だけどさ、レス。部屋の鍵触ったりした?
 僕、わざと鍵かけずに寝たんだけど……」
 ス「!そうだったん……い、いえ、触ってません」
 六「「「「「「(こいつ、触ったな)」」」」」」(バレバレ)
 サ「レス、嘘はいけないなぁ。僕、君が起きてるとこを見たよ?」(嘘)
 ス「! そんなわけないですよ?! 先輩達が確実に寝てるのを確認してから温泉に行ったんですからっ!……!!」
 サ「なるほど、温泉に行ったのか。君、案外チョロいね(笑」
 レスはハッとして口を抑えたが、時すでに遅し。ニッコリと微笑むサトの後ろから、他五人がなにしてんだ、お前はという顔で覗いているのを見てレスは諦めたようにため息をついた。
 リ「お前さぁ、ちょっと本気で自由すぎんだろ」
 ハ「ひどいぜぇーぃ、レッスー! 俺っちも誘ってくれればよかったのに!」
 ス「すいません。でも、先輩方もお疲れだろうと思って。鍵が空いてたのも、単にかけ忘れだろうと思いましたし。というか、それが何か問題でも? 鍵かけてないと、流石に不用心では?」
 プ「ほら、レムの部屋のメンバーがメンバーじゃない?(俺のせいか?!byパズ&ハリトー)だから、耐えられなくなったら、こっちの部屋においでって言ってて」
 レ「俺はそれを受けて、お前とプスの部屋に行ったわけだが、しまっててさ。仕方なく廊下で寝てたんだ。お前が見なかったってことは、お前が風呂から帰った後だったってことかもな」
 ス「……廊下で……そうですか」(顔面真っ青)
 口ごもりながら言ったレスに、六人は思った。「あー、こいつ、なんか知ってる」と。
 ハ「隠し事は良くないぜぃ、レッスー」
 ス「!!」
 リ「まぁ、今回に限って言えばハリトーの言うとおりだな」
 ス「か、隠し事ってわけじゃ! ただ、まさかレム先輩だと思わなかっただけ……!!」
 パ「こんな奴が斥候だなどとは到底納得できんな」(怒
 またしても口を滑らせたレスに、パズの冷たいツッコミが入った。
 レ「レスー、さすがにひどいぞ? 俺は寒くて震えてたのに、お前は風呂に入ってきて、挙句温かい布団に入って寝てただなんて」
 ス「うっ。だ、だって暗い廊下に座り込んでる怪しい人ですよ? 話しかけてまた幽霊だったら……、先輩達にまた迷惑になるからと思って……その……」(泣)
 少しの沈黙……。
 ス「……ごめんなさい」
 涙目で頭を下げるレスだった。
 (注解・①鍵を閉めずに寝る桜の間 ②四人が部屋に帰ってくる。喧嘩開始 ③朝方、起きて温泉に行くレス(鍵かける)④あまりの喧嘩(寝言)に遂に耐えられなくなって、部屋を出るレム。桜の間が入室不可という悲劇。紅葉の間、爆睡につき入室不可。仕方なく廊下で丸くなる。⑤レス、温泉から帰る。レム(幽霊だと思っている)を無視して入室。鍵かけてさらに二度寝 ⑥朝に至る)
 
 ハ「んめーっ! 昨日の晩も思ったけど、ここの飯ちょー最高だぜぃっ!!!」
 朝餉に出された玉ねぎ入りの炒め物をむしゃむしゃしながらハリトーが言う。その言葉に他五人も同感だった。ただ一人、朝に極端に弱い故か、それとも単に先程のことで落ち込んでいるだけなのか、レスだけがほぼ箸をつけずにげんなりとしていた。
 ス「……よく朝からこの量を食べられますね?……」
 ハ「昨日の晩、卓球やりすぎたから腹減ってたんだぜぃ! 卵焼きうま~っ!」
 パ「深夜からずっと腹を鳴らして実に不快だった。(この穀潰しが)」
 サ「それには同意。こっちも似たようなもんだったし(笑」
 リ「うっせーな! 晩飯食ってからあんだけ運動すりゃ、そりゃ腹も減るわ!!」
 レ「元気だなー、お前ら(苦笑」
 プ「レム、大丈夫? 顔色良くないよ?」
 レ「んー、大丈夫大丈夫(多分)。ほんとはちょっとゆっくりしときたいけど、折角紅葉の名所に来たんだ。それこそ紅葉狩りくらい、いかなきゃ損だろ?」
鼻をかみつつプスに答えたレムは、とにかく食べれるだけ食べとくわーと少しずつ箸を進めていく。その様子を隣で見ていたサトは、思い出したようにいつも持っている薬入れ(精神安定剤入れ)を取り出した。
 サ「レム、良ければ栄養剤あげるよ。僕って準備がいいだろ?(笑」
 レ「……ッ!! いや、それは……(遠慮したい)」
 リ「安心しろ。兄さんが作ったやつだから」(むしろ飲んどけ。絶対治る)
 レ「それなら安心だな。もらっとくわ(笑」
 サ「どーぞ(なんかちょっと腑に落ちないけど)」
 プ「! レスももらっとく? 顔真っ青だよ?」
 ス「……いえ、いいです。いつものことですし」
 朝餉にだされたフルーツ以外を丸々残しているレスに、プスがそう声をかけるが、相手はそれを渋い顔をして断った。ほんとに大丈夫?と言いたげなプスから目を反らし、レスは真向かいにいたハリトーへと目を向ける。バクバクと、やはり勢いよく白飯を平らげていくハリトー。特に体に異常もみられないのか、どこまでも彼はいつも通りのようだ。背後に古ぼけた女性の幽霊が、そんな彼の姿をうっとりした顔で見つめていなければ、だが。何を隠そう、レスの顔色が悪いのも、そもそもは彼女のせいだった。朝の一件もあり、この旅行ではマイペースに過ごすのはご法度だと完全に理解した今、幽霊の存在はまさに脅威だった。こと、昨日時点で仲良くしゃべっていた彼女(霊)に至っては、今更僕達に関わら
ないでと言えるわけもなく、でも関わっていることを先輩達に悟られてはいけないという危機感に板挟みの状態だった。
 ス「(ともかく……、他の先輩には見えてないし、憑かれてる本人がピンピンしてるんだから、下手に騒がずに様子みよ……)」
 下手に騒いで、幽霊がいると分かったらそれこそおわりだ。さすがに温厚な先輩が二人(レムとプス)はいるとしても、仏の顔も三度まで。
 ス「(最悪、「お前なんか帰れっ!」って言われて、挙句休み明けの学校で全員から呪われた奴みたいな扱いされそうだな……)……そんなんなったらやだ(泣)」(ボソッ)
 プ「レス、何か言った?」
 ス「イッテナイデス。ダイジョブデス」
 ハ「レッスー、朝のことまだ気にしてるんだぜぃ? もう誰も怒ってないぜぃ? ってか、そもそも誰も怒ってないんだぜぃ? だからいっぱい食って、残りの旅行楽しむんだぜーぃ!!」(ハッハッハッハっ!!)
 ス「……ソウデスネ(能天気な……)」
 プ「なんか片言な上にセリフが棒読みに聞こえるのは気のせいかな?」
 パ「はん。自己管理ができない歳でもなし。放っておけ、プス。食事が終わったら、部屋に一度戻って準備、すぐに出発だ。あまり人が多くならないうちに観光を済ませる」
 リ「さんせー! ここらの飯屋は昼時混むって旅館の女将が言ってたし、さっさと行って飯屋確保だ」
 サ「今これだけ食べるのにまだ食べるのかい? 今度は胸焼け起こす気か?」
 リ「お前は一言多いんだよ、なんでもっ!!! ご当地B級グルメといや! 今話題なんだよ! 土産買う前に味見しないでどうすんだ!」
 レ「抜け目ねぇなー(苦笑)」(俺はそこまで食欲ねぇわ)
 プ「あっ、ならさ、ならさ。さっきそこで見つけたんだけど、ここの旅館で……」
 ワイワイ騒ぐ先輩達の声を聞きながら、レスはぼんやりとハリトーの後ろにいる幽霊を見ていた。特に悪さをするでもなく、浮いているだけの彼女はレスが自分を見ていることにはまだ気付いていない。ハリトーしか目に入っていないらしいその様子から、昨日の言葉に嘘はないことが分かる。それはそれで嫌だが……。とか考えていた、その時だった。彼の目の前で、通路を挟んでハリトーの隣に座っていたパズの小鉢がゆっくりと浮いた。言うまでもない。幽霊の彼女が持ち上げたのだ。(いや、念力で浮かせたと言うべきか)他の先輩五人は観光の計画に、ハリトーは目の前の食事に夢中で全く気付かない。そうこうしているうちに、小鉢はゆっくりと空中をスライドしていく。
 いやいやいやいや。
 ス「バレる! バレる!」
 ガッと幽霊から小鉢を奪い、テーブルに押し付けるように置く。レスの行動に、幽霊の方はやっと自分が見られていることに気付いたらしい。袖で口元を隠し、スーっと透明になって消えていった。
 プ「レス? ほんと大丈夫?」
 ス「ハッ! え、えーと……」
 プスの声に我に帰ったレスは、自分の今の状況をどう説明しようかと脳みそをフル回転させた。他人の(しかもあろうことにそれがパズ先輩)小鉢を、傍から見れば盗ろうとしたと思われても仕方ない状況だ。
 パ「……、貴様、一体俺になんの恨みがあると?」
 ス「いや、そんな……そ、そうじゃなくて! む、虫! 小虫が先輩の小鉢に入っていったのが見えたんで、おれいや、僕のと交換しようと(箸つけてませんし)」
 パ「貴様のなんぞ、誰がいるかっ!!(怒」
 レ「まぁまぁ、パズ。レスは好意でやってくれたことなんだ。許してやれよ。小鉢がいるんなら、俺のやるから」
 パ「そんな浅ましい真似はせんっ! こいつに世話を焼かれることに腹が立つのだ!」
 サ「そんなことでカッカしないであげなよ。レスだって好きで君にちょっかいかけるタイプでもないんだからさ。虫入っちゃったもの食べなくて済んだんだから、むしろ良かったじゃないか」
 ハ「全く、頭かてぇんだぜぃ(ムシャムシャ)」
 パ「食べながら人を馬鹿にするな! 木偶の坊がっ!!!」
 最終的にいつも通りの喧嘩になってきたのを、他の五人はいつも通り止に入る。結果的に「周りの目を考えて!」というプスの一言でどうにか収まったが、パズの機嫌はかなり悪くなってしまった。
 パ「さっさと行くぞ!」
 レ「待てって、パズー」
 リ「ったく、また面倒ごと起こしやがって」
 サ「ほんと。どうしたんだい、今日は? さっきのことまだ引きずってるのかい、レス?」
 呆れ顔でそう言うリーズとサトに、レスは「すいません」と大人しく謝った。だが、心中はバクバクのドキドキだった。どうにか乗り切れたが、本当にさっきの場面を誰にも見られてなかったのかという不安もあった。ともかく、先輩達が準備をしに部屋に戻っている間に先程の彼女を見つけて、話をつけなければまずいことになるのは目に見える事実だった。
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