忍者ブログ
紅露と黒巳と紫陽花のオリジナル小話不定期連載中
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

 今日はお休みだ!でもゴールデンウィークは別にゴールデンでもない。だって休み今日だけだし。いやお休みは勿論ありがたいんですよ。
 友人の運営する、しましま教のサイトが更新されていました。彼女の絵が好きだ。おすすめなので、暇が有ればぜひ。
 shimashimakyou.web.fc2.com/index.html  こちらです。上手くリンク出来てるかなこれ。

そんでもってキャラの名前由来。ラッキーの名前。
北欧神話の有名な神、ロキから。だから、ラキのフルネームはLaki Tyrになる。
ロキ Loki 
巨人を両親に持ちながら、アース神族の一員に数えられる。主神オーディンと義兄弟の契りを交わしている。北欧神話のトリックスター。様々ないたずらで神々を怒らせると同時に、有益な宝ももたらす。トール神と仲が良い。口が悪いのでも有名。オーディンの息子バルドルを、その兄弟をそそのかして殺させる。しかしこれに関してはスノッリエッダに現れているのみで、古エッダやその他の記述では、バルドルの死に関してロキが登場することはない。そしてまら、その型の方がより原型に近いものと考えられている。その後彼は地下に繋がれ、地震の起きる原因とされた。シギュンという妻がいるが、女巨人アングルボダとの間にフェンリル狼、ミズガルズ蛇、ヘルなどの子供をもうけており、終末の時、ラグナロクには彼らを率いて神々と戦い、自らはヘイムダルと相討ちになる。見た目は美しく、知恵に優れる。気まぐれで変身能力を持ち、男女両性を備える。

  気が付いたとき、僕はまた、真っ暗な静寂の中に一人だった。父さんの死体の上に、かぶさって倒れていたようだ。持ってきていた灯りは、とっくに消えてしまっていた。
 夢、か…?そう思って起きあがった僕は、すぐにそうでないことに気づいた。だって、夢ならおかしいじゃないか。僕の顔に血が付いているなんて。それもまだ固まってすらいない血だ。僕自身はけがの一つもしていないのに。
 僕がここに来てから、ずいぶんな時間が経っていたようだ。外に出てみると、東の空が白み始めていた。母さんが起き出して、僕がいないことに気が付く前に、帰らなくてはと思い、急いだ。
 走って帰ってみると、母さんはまだ眠っていた。僕は起こさないように、こっそりとヘルの横に戻った。
 それからが大変だった。まず、母さんの遠い親戚を訪ね、事情を説明して泊めてもらうことになった。僕はそれまでほとんど面識は無かったが、彼らは良い人たちで、母さんの仕事も世話してくれた。僕も、近所の飲食店の手伝いを始めた。その内に、小さな借家を借りて、そこに住むようになった。
 そして、一年ほどが過ぎた頃、僕は店の客からタチの悪い風邪を移され、働けなくなった。かなりの熱が出て、薬か、医者に診せることが必要だったが、ただでさえ僕が働けない状態で、そんな余分な金は無かった。
 ヘルが、自分でも仕事を見つけようとがんばったが、あいつの年では、どこに行っても相手にされなかった。それでもヘルはがんばった。その年でお金を稼ぐことの出来る方法を、あいつは一つだけ知っていたんだ。
 ヘルは帰ってこなかった――。
 金だけが、僕たちの手元に届いた。かなりの額で、それがヘルの価値だった。
 あいつは身売りして、奴隷になったんだ。
 僕に魔術師としての才能があると知ったのは、その時だった。届けられた金に手を触れたとき、僕はまた視ることになった。自分の知るはずのない光景を。今度は映像だけだった。ヘルが、奴隷商人と話している姿。そしてそのまま、鎖につながれる姿を、僕は視た。
 僕はそれを、働いていた店の主人に相談することにした。彼は子供の僕から見て、たいそう物知りで、そして頼りがいのある人だったから。彼は驚きながらも、僕に教えてくれた。それは、魔術師の使う、過去視というものだ、と。基本的に才能のあるもの以外に扱えず、また、制御も難しいため、視えるとしても、大抵断片的なものだけだという。僕はそれを無意識に使っていたのだ。
 おじさんは、僕に是非とも魔術師になる道を進めと、熱心に勧めた。「そんな才能があるのなら、生かさないのはもったいない。読み書きはオレが教えてやる。おまえは魔術師になるべきだ」と。あまりにも熱が入っているのに、僕がびっくりしていることに気づいたおじさんは、実は自分も一時期魔術師を目指していたのだと、照れくさそうに言った。
 母さんには話さず、僕は一人で一ヶ月ほど考えた。そして……。


「その結果、僕はここに居るというわけさ」
 そう言って、ノルンは話を終えようとした。が、
「ちょっと待ってくれ。結局何で魔術師になろうとしたのかを言っていない」
「あれ、そうだったか?」
 あっけらかんと笑うノルンを見ていると、やっぱり深い意味など無いのかもしれないと思ってしまう。しかし、どう考えても今の話では、奴隷制に関わる、いやむしろ欠かせない存在である、魔術師を恨んでいても良さそうなものだ。
「最初に言っていた収入がやはり大きいのか?母親の為に?」
「まぁそれもあるが…。つまりだな、今の話を聞けば分かると思うが、僕は奴隷制自体を快く思っていないんだ」
 それは当然だろう。
「だから僕は魔術師になった。そして、少しでも多くの奴隷に、僕自身の手で、呪をかけるのだ」
「……は?」
 まるで、それで話が分かるだろう言わんばかりの科白に、私は逆に頭をひねった。ノルンの思考は、時々人を混乱させる。
「つまり、少しでも多くの奴隷に呪を掛けておいてだな、ある日いっぺんにそれを解くのだ。そうすれば、他のやつに呪を掛けられて、一生を奴隷で終えるはずだった者が助かる。どうだい、なかなかいい計画だろう」
「…………本気か?」
「もちろんだとも。こんな前振りの長い冗談があるものか」
 ノルンは、自信満々にそう言いきった。しかし私が訊いたのはそういう意味ではない。そんな、この国に深く根を下ろす奴隷制に反対し、混乱させるような計画を、立てるだけでも大それたことだが、それをそんなに軽々しく私に話して良いのかという意味も含めていたのだ。だが、
「君らしいな、それは…」
 思わず、笑いがこみ上げる。
 そうだな。それが君だ。いつも私の悩みをばかばかしいことだと思わせてくれる。
「まったく、君には恐れ入るよ。ノルン」
「それは褒められているのか?笑いながら言われてもあまり嬉しくないのだが」
 ノルンはなにやら不満顔だ。笑われるとは思っていなかったのだろう。
「少なくとも、私は褒めているつもりだよ」
「そうか。それならとりあえず喜んでおこう」
 そう言って、ノルンはいつも通りの笑みを向けてくれた。そのまま私たちは二人で、暫く笑っていた。

 

この時ノルンの不満顔は作ってます。実はすごくほっとしてる。あと、ノルンはサフだから話したんだよ。

PR
この記事にコメントする
お名前
タイトル
文字色
メールアドレス
URL
コメント
パスワード   Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
この記事へのトラックバック
この記事にトラックバックする:
カレンダー
03 2025/04 05
S M T W T F S
1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30
フリーエリア
最新コメント
[05/27 紅露]
[04/18 黒巳]
[10/21 紅露]
[09/18 紫陽花]
[08/06 黒巳]
最新記事
最新トラックバック
プロフィール
HN:
紅露 黒巳 紫陽花
性別:
非公開
バーコード
ブログ内検索
忍者ブログ [PR]