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紅露と黒巳と紫陽花のオリジナル小話不定期連載中
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 レポート終わった!夏休みだ-!!
 この夏休みの間に、ちまちまと載せておりました「鬼子流離譚」の最終回を書こうかと思っています。
 長々と引き延ばしても何ですし、きちんとお話書ける時間がこれからどれほどとれるものかも分かりません。…まあ、そもそも今も就活してなきゃなんですけどね。それはそれとして。
 なんとかがんばりますので、あと少しお付き合いの程を。

 最終回予告編を一応下に入れておきます。但しまだ色々未定なので、この通りいくかは不明。

 叫ぶ。
 声は降りしきる雨に遮られ、遠くまで届きはしない。それ以前に、届けたい相手はどこにいるのか、それさえ分からない。
 だけど叫ぶ。
 だから叫ぶ。
 届くとも分からない声が、どこか遠く響いて、雨の音が耳を塞ぐ。
 三人が出会った日も雨だった。
 あの時は、囁けば届いた。

           ***

「彪」
「架楠」
 名前を呼び合い、くすぐったくなって二人でくすくす笑った。
 優しい目つきで二人を見つめる女性を、なんと呼ぶか、二人はまだ決めていなかった。
 呼びたい思いは胸から押し上げてくるのに、声は喉で止まってしまっていた。
「もうお休み。―彪。架楠」
 穏やかに呼ばれ、二人は視線を交わし、目を閉じた。
「「お休みなさい」」
 囁く相手がいることが、嬉しかった。

           ***

 囁きでは足りない。
 今ここには、そんな穏やかさは微塵もない。
 叫ぶ。
 今この声が届くなら、この先しゃべれなくなっても構わない。
 今、届かないなら、もう声なんていらない。
 返事が欲しい。叫ぶばかりでは虚しいだけだ。
 あの時は、呼べば返事があったのに。
「彪ー!!青蓮さぁーん!!」
 声を張り上げ、嗄れるまで叫び続けても、今はもう……。
 
 雨が降っている。
 鬼が泣いている。

 

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