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紅露と黒巳と紫陽花のオリジナル小話不定期連載中
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 ゴールデンウィークの間に、と思って、一つ置きに来ました。
 鬼子流離譚の二話目です。長さ的に今回は二つに分けておきます。ちょっと後半の長さがどうなるか分かりませんが。

 とりあえず今回は架楠のターン。でも主人公はいきなり別人です。
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 春ですね。学校が始まり、部誌の発行も始まったので、部誌に載せた話を置きに来ました。
 むか~し書いた話に、なんか似たようなのがあったなあ、と思いつつ。私的にはあれのリメイク?
 酒、なんて無茶なテーマ出されて、頭ひねった結果がこれか、という。
 書きながら井伏鱒二の「勧酒」の妙訳が頭の中をちらちらしていました。あれは本当に妙訳ですよね。
 短いので、どうせだし以下に全文。

 コノサカヅキヲ受ケテクレ
 ドウゾナミナミツガシテオクレ
 ハナニアラシノタトヘモアルゾ
 「サヨナラ」ダケガ人生ダ

 井伏鱒二と誕生日が同じで、こっそり嬉しいです。
 懸念していた編集作業が無事終わり、製本もあっさり終わってほっと一息。
 出来上がった部誌を見ていたら……。
 致命的な誤字を発見。
 ………。
 くやしかったので、誤字訂正版を置きに来ました。

 とても短いです。続きに置くまでもないので、以下に。


夜の売り子
 
 夜の売り子は少女で、少女は柳で編んだ大きなかごをぶら下げて、夜の町を歩く。
「夜を売ります。
 夜を売ります。
 お代はあなたの昼で結構。
 眠れぬ夜は二昼で。
 一人の夜は三昼で。
 凍える夜は四昼で。
 嘆きの夜は六昼で。
 柔らかな夜は八昼で。
 夜を売ります。お売りします」
 歌うように声を響かせ、少女は毎日夜の町へとやってくる。
 夜を買いたいという人は、たまさかやってくるのだが、彼らもまた、少女の求める昼を持ってはいないので、結局少女の夜は売れない。
 夜の売り子は、昼が欲しい。
 少女は昼が欲しくてたまらない。
「夜を売ります。お売りします」
 そうしてある日、一人の男が、夜の売り子の前に立つ。くたびれた姿のその男は、両手いっぱいの昼を差し出した。そして一番優しく、一番暗い夜を求めた。 少女は大喜びで、夜を渡して、昼を受け取った。
 
 男の手の中で、少女の夜は消えた。
 少女の手の中で、男の昼は消えた。
 二人は互いの運命から、逃れられなかった。
                                          
      了
 春休みですが、なかなか出すものがなくて、というか書いてなくて、久しぶりになってしまいました。
 ちょっと近況。
休み中ではありますが、部活の方で少々動いていまして、現在も編集作業中、より正確には編集作業滞り中、です。部長の原稿が出来ないと、ここから先には進めないのです。で、部長に進捗状況を尋ねるメールを送ったところ、
「ごめん、今旅行中」
 
 ………おい。
 果たして製本日までに間に合うのでしょうか。そして私は製本日に無事でいられるのでしょうか。…くたばってないだろうな。

 そして個人的な調べ物をしていたのですが、今は一時中断。ちょっと行き詰まってしまいまして。

 なんかばーっと話書きたいなあ、と思っていたのですが、長編に手を着ける余力がなく、ちょっとした小話を置いておきます。
 待ってないと思うけど、お待たせしました。鬼子流離譚序章の終幕です。そしてこれが始まりです。この話はこれからも、のんびりぼちぼち書いていきたいと思っていますので、これからもおつきあいの程よろしく。とはいっても第一幕の最後はそろそろ考えておかないとなあ。第二幕なんか無計画にもほどがありますし。まあ、そう言う話もまたいずれ。
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